
大阪大学が発信するホットなトピックの数々をお送りする「ハンダイラジオ」。
今年度からは内容をリニューアルし、箕面キャンパス・外国語学部に特化した内容でお伝えしています。
<出演>
筒井佐代さん(大阪大学外国語学部長)
清水政明さん(大阪大学大学院人文学研究科外国学専攻長)
<聞き手>
野間耕平(タッキー816みのおエフエム ディレクター)
■筒井学部長は「雑談」がお得意?
昨年(2024年)から外国語学部長に就任した筒井さん、今年が2年目。
もともと日本語専攻の教授であり、外国語学部の長として、また顔としての現在の業務は
「正直、私にはあまり向いてないんですが」
と苦笑いです。
特に今年は大阪・関西万博の開催年ということで、なんとブルガリアの大統領の前で、英語でスピーチをすることに。
「緊張しました・・・」
他にも、ハンガリーの大統領が箕面キャンパスを訪れたり、とにかく世界各国の要人と会う機会が多かった今年。大変だけど、またとない貴重な体験でもあったと振り返る筒井さんでした。
日本語専攻があるのは、大阪大学外国語学部の特徴の一つです。
「日本語を客観的に学ぶ」ということで、日本人学生が7から8割、外国人留学生が2割から3割ほどの構成です。
筒井さんの研究テーマとして知られているのが「雑談」。
「外国人留学生が、日本語は流暢なのに『雑談に入れない』と悩んでいることがよくありまして」
そのことから「雑談」に興味を持ち、分析を行った結果、日本語の雑談には特有の構造があることが明らかになりました。
「地域や年齢層によっても構造に差がありますし、何なら関西と関東でも違うんですよ」
ほ、ホンマでっか!?
外国人で日本語の雑談に入れる人がいたら、それは相当な実力の持ち主と言えるでしょう。
外国人向けに「雑談教室」(?)があったら良いかも。
■清水外国学専攻長はベトナムの名誉市民!
外国語学部では言語の習得が基本ですが、それにとどまらず、対象の国や地域の歴史や文化を研究し、理解を深めることが大きな目的となります。大学院の「外国学専攻」は、まさにそれを追求する部門となります。
清水さんの専門であるベトナム語、現在はローマ字表記となっていますが、かつては漢字から派生した独自の文字である字喃(チュノム)が使われていました。この字喃で書かれたベトナムの古典を研究してきた清水さんは、その功績が認められ、今年ベトナム南部のベンチェ省から「名誉ドンコイ市民」の称号を贈られました。
箕面キャンパスでは今年、ドキュメンタリー映画『ドクちゃん -フジとサクラにつなぐ愛-』の上映会が行われ、主演のグエン・ドクさんが来場しました。
1981年、結合双生児として誕生したドクさんは、兄のベトさんと共に「ベトちゃんドクちゃん」と呼ばれ、ベトナム戦争で米軍が使用した枯葉剤の被害者として、日本でも当時大きな話題となりました。その後、二人の分離手術が行われ、ベトさんは亡くなりましたが、大人になったドクさんは結婚して二人の子どもの父親となっています。
今の学生は「ベトちゃんドクちゃん」を知らない人が大半と言い、そんな若者たちにとって、ドクさんの映画を観て、本人と交流することは、大きな意味があったようです。

■OUGCとシンポジウム
OUGCとは「大阪大学グローバルキャンパス」のことで、箕面キャンパスの別名でもあります。
「もちろん大阪大学全体がグローバルをめざしていますが、その中でも特に留学生が多く、海外と直接つながっていることを生かして、世界との交流を進めていくという思いを込めてOUGCと呼ぶようにしています」
市民も参加できる催しも活発に行われており、その中でも一大イベントが「ことばと出会うシンポジウム」。
昨年の第2回シンポジウムでは、作家の小川洋子さん、日本語学者で元阪大教授の金水敏さんが出演し、箕面市立文化芸能劇場の大ホールが満席となる盛況ぶりでした。
いやが上にも期待が高まる、今年の第3回シンポジウム。その内容は?
「今回は『あなたを彩ることばはいくつ?』と題して、副題に『”ふくふく”を生きるということ』と付けています」
ふくふく=「複言語・複文化」のことで、もともとヨーロッパで誕生した概念だといいます。
自分の中にある、複数の言語や文化。それは例えば在日外国人において顕著ですが、実はすべての人に「複言語・複文化」の素地があり、向き合うべきものだといいます。
今回のシンポジウムでは、「複言語・複文化」を強く持っているゲストとして
・野村雅夫さん(ラジオDJ/日本とイタリアにルーツ)
・サヘル・ローズさん(女優/イラン出身、日本在住)
・染谷西郷さん(ミュージシャン/日本と南アフリカにルーツ)
それぞれの講演と、三者によるトークセッションが予定されています。
いったい、どんなトークが交わされるのか。
「そこで起こる『化学反応』を楽しみにしています」
大阪大学外国語学部・外国学専攻主催
第3回 ことばと出会うシンポジウム
「あなたを彩ることばはいくつ?-”ふくふく”を生きるということ-」
日時:10月19日(日曜日)13時から16時
場所:箕面市立文化芸能劇場大ホール
料金:無料
定員:1400人(先着順)※どなたでもご参加いただけます
申込み:https://ougaigosympo3.peatix.com
締切:10月17日(金曜日)



