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世界有数の大言語・ウルドゥー語専攻のみなさん・・・「ハンダイラジオ」


大阪大学が発信するホットなトピックの数々をお送りする「ハンダイラジオ」。
今年度からは内容をリニューアルし、箕面キャンパス・外国語学部に特化した内容でお伝えしています。

<出演>

宮本隆史(みやもと・たかし)さん(大阪大学外国語学部ウルドゥー語専攻 准教授)
渡邉日奈子(わたなべ・ひなこ)さん(同専攻4回生)
高橋宏大(たかはし・こうだい)さん(同専攻4回生)

●ウルドゥー語とは
「ウルドゥー」という名称、日本ではなぜかあまりなじみがありませんが、実は世界有数の大言語となります。
パキスタンの公用語であり、インド北部でも日常的に使われていて、周辺地域も含めると6億人が理解できるという言葉。ヒンディー語との共通点が多く、どちらかの言語を知っていれば互いに意思疎通は可能だといいます。
書き文字はアラビア文字を使用するため、右から左への横書き。
渡邊さん「最初はすごく抵抗がありましたね。本も無意識に逆から開いて読んじゃったり」
高橋さん「PCやスマホ画面でも右からなので、今でも慣れない部分が。特にアラビア語と日本語を混ぜると改行がもうわけわかんなくて」

宮本さんは10歳くらいの頃、国立民族学博物館「みんぱく」で観た「大インド展」が、ウルドゥー語を学ぶきっかけだったといいます。
「インドの砂漠の吟遊詩人が歌を披露していて、その朗々たる歌声に圧倒されました」
そこでインドに関心が生まれ、大学進学時に「インドの言葉は、ヒンディーとウルドゥー。ヒンディーは聞いたことあるけど、ウルドゥーはよく知らないので、そっちにしよう」と決断しました。

【宮本さんの研究テーマ】
「18世紀後半、インドがイギリスの植民地になっていく過程での『罪と罰』、特に監獄(刑務所)について研究しています」
昔の刑罰は「鞭打ち」など身体に痛みを与えるものでしたが、18世紀後半から「閉じ込めること(自由を奪うこと)」自体が刑罰になりました。これは「人は本来自由である」という自由主義の考えが前提にあります。
 しかし、当時のインドにその感覚があったのでしょうか?「閉じ込めても飯が食えるなら罰にならないのでは?」といった議論が200年前から官僚の間でなされていました。現代の私たちが「悪いことをしたら閉じ込められる」と無意識にブレーキをかけている構造のルーツを探っています。

学生の渡邉さんと高橋さんは、いずれもインドのデリーにあるジャワハルラール・ネルー大学への留学を経験しています。
渡辺さんは高校生の頃から、インドの歴史やイスラム教に関心を持っていて、世界史の教科書で見つけた「ウルドゥー」という文字が気になり、「これこそ私の学ぶ言語だ!と思いながら学んできました」
研究テーマは、インドの雑誌広告における「美白(カラリズム)」について。植民地時代の価値観が、独立後もどのように「自分たちの美意識」として刷り込まれていったかを分析しました。
留学当時は、何か困ったことは?
「おなかを壊すことはまったく無くて、インドのごはん美味しい!と毎日楽しんでいました」
特に好きなのは、ストリートフードの「パーニープーリー」というスパイスの効いたおやつ。行くまでは辛いの苦手だったんですが、留学後はスパイスがないと物足りなく感じるように。
また、下宿先に帰って来るとき、近所の人たちがみんな出てきて「おかえり」と声をかけてくれるのが嬉しくて、人情の深さを感じました。

高橋さんは、高校生の頃に国際交流でタイに行ったのがきっかけで外国の言語に興味を持ち、大学ではウルドゥー語を選択。
「正直、けっこう苦労しながら学びましたね」
文字が全く違うし、教材も少ないので、一度置いて行かれると、取り戻すのが大変だとか。
研究テーマは「インドの鉄道について」。
留学先のデリーは、一言で言えばエネルギッシュなまち。タクシーが盛んに声をかけてきたり、牛や、リキシャで溢れていて、とても刺激的でした。
苦労したのは、いろいろな事務手続き。日本だとすんなり通ることが、自分から声を上げないとなかなか進まないということ。
その一方、ウルドゥー語で話しかけると、「おお、しゃべれるのか!」とみんな一気に心を開いてくれる。
それはウルドゥー語を学んで良かった、と思える経験でした。

4月からは二人とも就職が決まっています。
渡辺さん「総合商社に入ります。今後、インドのビジネスに携わっていければと思います」
高橋さん「僕は食品メーカーです。外国語学部のモットー『世界の翼になれ』という言葉通り、インド支店長を目指すくらいの意気込みで頑張ります」

宮本先生からは
「二人とも、大学に入ってきた頃と比べて、ものすごく成長しています。卒業は寂しいけど、また新しい1年生を迎えるのが楽しみです」

大阪大学外国語学部のある箕面キャンパス、1階のエントランスには名物の「大石板」があります。
25の専攻語の設立順に、それぞれの言語の名文句が、上から並んでいます。
ウルドゥー語は上から5番目で、それだけ古くからある専攻語ということに。

お前は鷹であり、高く舞い上がるべきである。
いくつもの大空が、お前が来るのを待っている。

大石板に刻まれた、詩人・イクバールのこの言葉は、これからまさに社会へと羽ばたいていこうとする二人に、ぴったりです。
どうかそれぞれの大空で、どこまでも高く舞い上がってください。

最後は、ウルドゥー語でお別れのあいさつを。
Khuda Hafiz!
(フダー・ハーフィズ=神のご加護がありますように)

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